そもそも昆虫食とは?
昆虫食とは、その名の通り昆虫を食料として食べることを指します。
英語では、そのまま"insect eating(インセクトイーティング)"と言ったり、学術的には"entomophagy(エントモファジー)"と言ったりします。
国連食糧農業機関(FAO)が、2013年に昆虫食に関する報告書[*1]を発表したことで、世界的に注目されるようになりました。
その報告書によれば、現在世界中で1,900種以上の昆虫が食料として利用され、少なくとも20億人が伝統食として昆虫を食べているといわれます。
日本でも「イナゴ」や「蜂の子」といった食文化が有名ですが、実際に食されるのはごく一部の地域に限られます。
東南アジアやアフリカなどでは伝統的に昆虫が食べられ続けていますが、昨今の流れは日本や欧米といった昆虫を常食しない地域にも昆虫食を導入しようというものです。
昆虫食のメリット
昆虫食のメリット
①高エネルギー・高タンパクでミネラルも豊富
②エビやナッツに例えられる美味しさ
③環境負荷が少なく持続可能性が高い
①高エネルギー・高タンパクでミネラルも豊富
昆虫8種の平均(乾燥したもの)[*2] | 牛肉(肩ロース)[*3] | |
エネルギー [kcal] | 497.5 | 258 |
タンパク質 [g] | 53.0 | 17.8 |
脂質 [g] | 28.8 | 20.8 |
エネルギーが牛肉の約2倍、タンパク質は約3倍含まれていることが分かります。
また、亜鉛や鉄といった造血に必要なミネラルがとても豊富です。
シロアリのドライスナックを例にとると、亜鉛は最大で牛肉の4.5倍、鉄にいたっては、なんと最大で牛肉の97倍も含まれています!
他にも、各種ビタミンや体に良いとされる不飽和脂肪酸を多く含むので、昆虫はサプリメントの代替にもなりうる優秀な栄養食品といえます。
②エビやナッツに例えられる美味しさ
さまざまな種類がある食用昆虫ですが、総じてエビやカニなどの甲殻類に似た味といわれます。
これは、昆虫を覆う外殻の成分が、エビ・カニと同じもの(キチン質)であるためです。
ただ、昆虫は甲殻類とは違ってナッツや果実のような風味があるとも表現されます。
私も実際に10種類以上の昆虫を食べてきましたが、たしかにアーモンドやカシューナッツに似た味の昆虫が多かったです!
食感のサクサク感とあいまって、純粋に美味しい食品というのが私の感想です。
ただ、昆虫の種類によってその味わいは少しずつ違うので、くわしくは「実際に食べて美味しかった昆虫ベスト5」と、以下の実食レポート記事を参考にしてみてください!
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③環境負荷が少なく持続可能性が高い
さきほどのFAOの報告書[*1]によると、コオロギやミルワームなどの主要な昆虫の生産には、肉牛と比べて以下のような特徴があると述べています。
- 飼育に必要な土地はウシの10分の1
- 必要なエサの量はウシの12分の1
- 二酸化炭素の排出量はウシの約100分の1
このように、ウシなどの家畜を昆虫に置き換えることで、二酸化炭素の排出量や資源の消費を劇的に減らすことができると期待されています。
実際に食べて美味しかった昆虫ベスト5
美味しい昆虫ベスト5
【1位】バッタ:ザクザクの食感がクセになる
【2位】スーパーワーム:チーズのような濃厚さ
【3位】コオロギ:アーモンドのような風味
【4位】サゴワーム:甘味があって後味も良い
【5位】ミルワーム:クセがなく食べやすい
【1位】バッタ:ザクザクの食感がクセになる
堂々1位はバッタです!
何よりの特徴は、揚げパスタのようなザクザクとした食感です。
しかも香りも香ばしく、味もナッツ類のような風味です。
甘味や旨味はそこまで強くないですが、飽きずにいつまでも食べられる感じです。
この食感と風味がやみつきになる、とても美味しい昆虫です。
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【2位】スーパーワーム:チーズのような濃厚さ
美味しさ第2位はスーパーワームです。
この昆虫はとにかく味が濃厚です。
ナッツやエビのような風味ですが、まったりしていて少し苦味もあるので、チーズを思わせる味わいです。
また、イモ虫タイプの見た目ながら、外殻で覆われているのでサクサクした食感も楽しめます。
虫っぽい外見ではあるものの、美味しさと食べやすさは一級品なのでとてもおすすめです。
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【3位】コオロギ:アーモンドのような風味
おすすめ第3位はコオロギです。
特徴的なのはアーモンドのような香りと味わいです。
エビっぽい風味もあるものの、この昆虫は特にナッツ系の風味が強いです。
バッタほどではありませんが、食感もパリパリしていて良い感じ。
とにかくクセがなくて味・香り・食感のバランスがいいので、初めて昆虫食を食べる人にはおすすめです。
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【4位】サゴワーム:甘味があって後味も良い
第4位はサゴワームです。
元はものすごくでっぷりした幼虫なのですが、ドライスナックは干しイチジクのようになっています。
やはりナッツ系の風味ですが、脂肪分が多いので甘味と旨味がとくに強い昆虫です。
食感はパイ生地のようなサクサクした感じです。
栄養価には偏りがありますが、お菓子のような感覚で食べるにはおすすめの昆虫です。
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【5位】ミルワーム:クセがなく食べやすい
第5位はミルワームです。
こちらはスーパーワームの小さい版の昆虫です。
香りや味はスーパーワームに似ていますが、苦みが少なくてよりクセがない感じです。
小さくて食感がいいので、ベビースターのような感覚で食べられます。
見た目の虫っぽさもそこまで強くないので、抵抗感なく食べられるところもおすすめです。
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おすすめ昆虫食通販ショップベスト4
おすすめ昆虫食通販ベスト4
【1位】bugoom(バグーム)
【2位】BugsFarm(バグズファーム)
【3位】TAKEO
【4位】entomo(エントモ)
【1位】bugoom(バグーム)
bugoomのおすすめポイント
- すべての商品がドライかパウダーなので食べやすい
- リピーターにおすすめの定期便が利用できる
- ポイントプログラムでお得に購入できる
おすすめ昆虫食通販No. 1は、bugoom(バグーム)です。
bugoomの昆虫食は、すべてドライスナックか粉末に加工されているため、初心者でも食べやすいのが特徴です。
私もbugoomのドライスナックを何種類か食べましたが、どれもサクサクとした食感でクセがなく、虫だと意識せずに楽しめます。
また、bugoomには定期便サービスがあり、10日~1ヶ月の範囲でお気に入り商品を定期購入できます。
コオロギパウダーなどは食べやすく用途も広いので、こういった商品を食生活に取り込みたい人には便利です。
しかも、bugoomにはポイントプログラムがあり、購入代金の1%がポイントとして付与されます。
1ポイント1円で利用できるので、リピーターにはとてもおすすめの昆虫食通販ショップです!
【2位】BugsFarm(バグズファーム)
BugsFarmのおすすめポイント
- 200種類を超える圧倒的な商品ラインナップ数
- うどんや調味料などのオリジナル商品が楽しめる
おすすめ第2位はBugsFarm(バグズファーム)です。
BugsFarmの特徴は、何よりもその商品ラインナップの豊富さです。
BugsFarmオリジナル商品の他にも5つのメーカーの商品を扱っているので、合計ラインナップは200を超えます。
しかも、コオロギを練りこんだうどんや、コオロギを配合した塩など、オリジナル商品も充実しています。
昆虫の種類、状態(ドライかパウダーかなど)、メーカーから商品検索することもできるので、ラインナップは多いですが自分に合った商品は見つけやすいです。
【3位】TAKEO(タケオ)
TAKEOのおすすめポイント
- 国内で養殖された国産昆虫を味わえる
- タガメサイダーや昆虫パスタなど変わり種が多い
おすすめ第3位はTAKEO(タケオ)です。
TAKEOは国産昆虫を使った商品を押し出していて、なんと自社でも昆虫の養殖を行っています。
国産コオロギやカイコ蛹を使い、煮干しや釜揚げなどの日本らしい調理法で商品を提供しています。
他にも、タガメのエキスを使ったタガメサイダーや、コオロギを練りこんだコオロギパスタなど、独特な商品が多いのも魅力です。
東京・稲荷町駅に実店舗もあるので、そこで試食をすることも可能です!
【4位】entomo(エントモ)
entomoのおすすめポイント
- シアワームという独特な昆虫を味わえる
- 原産地・西アフリカ伝統の味付けで楽しめる
おすすめ第4位はentomo(エントモ)です。
2020年9月現在、entomoでは「シアワーム」という昆虫のみを扱っています。
このシアワームは、西アフリカ原産で「シアバター」で有名なシアの木を食べて育ちます。
なんと、これまで日本での呼び名が存在しなかったところ、entomoがシアワームという名前をつけて日本に導入したのです!
そんな珍しいシアワームを、西アフリカ現地のチリ味の味付けで楽しめるのがentomoの特徴です。
昆虫食の注意点
昆虫食の注意点
①甲殻類アレルギーの人は食べるのを控える
②絶対に生では食べない!
①甲殻類アレルギーの人は食べるのを控える
昆虫の外殻は、甲殻類と同じ「キチン質」という成分でできています。
これがいわゆる甲殻類アレルギーのアレルゲンなので、昆虫でも同様のアレルギー反応が出る可能性があります。
甲殻類アレルギーをもつ人は、食べるのを控えましょう。
②絶対に生では食べない!
野生の昆虫は、細菌や寄生虫を保持していることがあります。
したがって、捕まえた昆虫を生のまま食べるようなことは絶対にやめましょう!
市販の昆虫食にも生のもの(冷凍を含む)がありますが、こちらも加熱処理してから食べるようにしてください。
このページで紹介したショップの商品は安全性が保証されていますが、スーパーの肉を生で食べないのと同じで、昆虫も生食は控えるべきです。
自分に合った昆虫食の選び方
ポイント
①昆虫食が初めてで不安…→パスタ・パウダーなどの加工食品
②昆虫そのものを味わいたい!→ドライスナック
③上級者向けの昆虫食に挑みたい→冷凍食品
順番に詳しく見ていきます。
①初めてで不安なら加工食品がおすすめ
「昆虫食が初めてで不安…」
「虫そのままの見た目に抵抗がある…」
こんな人には加工食品がおすすめです!
代表的なものとして粉末に加工されたパウダー製品や、それらを練りこんだパスタなどもあります。
また、昆虫の姿はそのままながら、表面をチョコレートでコーティングした商品もあります!
昆虫食初心者の方は、こういった商品からトライしてみてはいかがでしょうか?
②昆虫そのものを味わいたいならドライスナック
「ある程度昆虫食に慣れてきた」
「虫に抵抗がないのでそのまま味わいたい!」
こんな人には、虫の姿はそのままで、加熱・乾燥させたドライスナックがおすすめです。
かくいう私も、これまでにこのドライスナックを10種類以上食べてきました!
エビやナッツに似た風味や、昆虫特有のザクザクした食感を楽しめるので、個人的には一番おすすめです。
③上級者には冷凍食品…!?
「加工された昆虫食には飽きた」
「自分で調理して食べてみたい」
こんな昆虫食上級者の方には、冷凍食品がおすすめです。
コオロギやスーパーワームを中心に、昆虫を生のまま冷凍した商品です。
「昆虫食の注意点」でも述べたように加熱処理は必要ですが、ドライスナックにはない昆虫本来の食感と味が堪能できます。
クックパッドには昆虫を使ったレシピが載っているので、自分で昆虫料理を作ってみたい!という場合にも活躍します。
まとめ
実際に食べてみて美味しかった昆虫ベスト5を紹介しました。
昆虫は栄養価が高く、香りや食感も良い優秀な食材です。
しかも、従来の家畜より持続可能性が高い食材としても注目されています。
昆虫食の通販ショップはいくつかありますが、bugoomが一番おすすめです!
商品の種類もたくさんあるので、自分に合ったものから試してみてはいかがでしょうか?
この記事の内容を参考に、ぜひあなたも昆虫食の新しい世界を体験してみてください!
参考文献
*1: Arnold van Huis et al., Edible insects - Future prospects for food and feed security, FAO Forestory Paper, 171, 2013
*2: バグズファーム, 株式会社アールオーエヌ, 2020/9/10, https://bugsfarm.jp/shopbrand/ct6/
*3: "アメリカン・ビーフに含まれる栄養成分", アメリカン・ビーフ&アメリカン・ポーク公式サイト, 米国食肉輸出連合会, 2020/9/10, https://www.americanmeat.jp/csm/knowledge/beef/beef_composition.html